遺産相続はプラスの財産だけでなく借金の相続も必要!借金を相続しないための対処法と注意点

遺産相続はプラスの財産だけでなく借金の相続も必要!借金を相続しないための対処法と注意点

親が亡くなって、相続の話になったときに実は借金があったというのは、珍しいことではありません。

借金に対して後ろめたさがあったり、子供に心配をかけたくない気持ちから、借金を隠していることがあります。

遺産相続では、基本的にプラスの財産だけでなく、借金も相続しなくてはなりません。

「借金があるなら遺産相続したくない」

「借金を相続しない方法ってないの?」

「相続放棄するときの注意点も知っておきたい」

このような悩みや疑問を抱く方も多いでしょう。

相続に対する悩みを解決するために、この記事では

  • 相続には3つの方法がある
  • 相続放棄で気を付けるべきこと5選
  • わからないことがあればまず相談

について2級ファイナンシャル・プランニング技能士が紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

1.借金を相続、放棄するための3つの方法

相続には、下記の3つの方法があります。

  1. 単純承認
  2. 相続放棄
  3. 限定承認

それぞれ特徴があるので、1つずつ説明いたします。

1-1.単純承認する

単純承認とは、すべての財産を相続する方法です。

すべての財産を相続するので、借金があった場合は、借金も相続しなくてはなりません。

特に手続きをする必要がなく、なにもしなければ単純承認で相続することになります。

実際の相続でも、単純承認が最も多いようです。

相続財産が明らかにプラスである場合、単純承認を選ぶといいでしょう。

1-2.相続放棄する

相続放棄とは、すべての財産を放棄する方法です。

すべての財産を放棄するので、何も相続しないことになります。

3.借金を相続放棄するときに気を付けるべきこと5選」で詳しく説明しますが、相続放棄には5つの注意点があるので、しっかり確認しておいてください。

相続財産が明らかにマイナスである場合や、相続に一切関わりたくない場合には、相続放棄を選ぶといいでしょう。

1-3.限定承認する

限定承認とは、プラスの財産の範囲内で借金を相続する方法です。

プラスの財産より借金のほうが少なければ、残った財産も相続できます。

借金のほうが多くても、プラスの財産以上の借金を返済する必要はありません。

「じゃあ相続するときは限定承認だけしとけばいいじゃん」と思いますが

  • 相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所への申し出が必要
  • 自分だけではなく、相続人全員での申し出が必要
  • 手続きが複雑で、専門家への相談が必須

といった理由から、現実的にはあまり使われていません。

興味のある方は、まずは専門家へ相談してみるのがいいですね。

相続財産がプラスかマイナスかわからない場合は、限定承認を選ぶのがいいでしょう。

2.借金を相続放棄するときに気を付けるべきこと5選

相続に関する3つの方法を知った上で「借金の方が多いから相続放棄がしたい」という方へ、相続放棄に関する注意点を5つ紹介します。

相続放棄の注意点は下記の5つです。

  1. 相続権が他の相続人に移る
  2. すべての財産を相続できなくなる
  3. 期限内(3ヶ月以内)に手続きが必要
  4. 申請が通ると撤回できない
  5. 相続に関する方針が決まるまでは相続財産に手を付けない

思わぬトラブルを防ぐためにも、注意点はしっかり確認しておいてください。

2-1.相続権が他の相続人に移る

相続人には順位があり、上位の相続人がいなくなると、下位の相続人に相続権が移ります。

相続人の順位は下記の通りです。

  • 常に相続人(0位):配偶者
  • 1位:子供
  • 2位:父母・祖父母など
  • 3位:兄弟姉妹

例えば、あなたの夫(妻)が亡くなり、多額の借金があるので「配偶者」と「子供」が相続放棄をしたとしましょう。

その場合、次に相続順位の高い「父母・祖父母など」に相続権が移ります。

下位の相続人も相続放棄すれば問題はありませんが、本来関係のない相続手続きが必要になり、トラブルに発展する可能性もあります。

トラブルを防ぐためには、相続放棄の結果として、相続人となる方たちに事前に周知しておくことが必要です。

2-2.すべての財産を相続できなくなる

相続放棄は、借金だけでなくプラスの財産も相続できません。

文字通りすべての財産を放棄することになります。

土地や住宅なども相続できなくなるので、借金の金額に応じて、相続放棄するべきかどうか検討が必要です。

2-3.期限内(3ヶ月以内)に手続きが必要

相続放棄するには、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し出なくてはいけません。

相続人の間で相続放棄すると決めていても、手続きしていなければ相続放棄できないのでご注意ください。

3ヶ月以内に相続の方法を選べない場合は、家庭裁判所に申し出て期間を延長してもらいましょう。

期限を過ぎてしまうと、単純承認したとみなされ、すべての財産を相続しなくてはなりません。

その結果、多額の借金を背負うかもしれないので、必ず期限内に手続きしてください。

2-4.申請が通ると撤回できない

家庭裁判所で相続放棄が受理されると、原則として撤回することはできません。

後からプラスの財産が見つかったり、気が変わった場合でも撤回することはできないので、じっくり考えてから判断するようにしましょう。

2-5.相続に関する方針が決まるまでは相続財産に手を付けない

相続放棄を検討中に相続財産に手をつけてしまうと、単純承認したとみなされ、すべての財産を相続しなくてはなりません。

例えば、以下の行為などです。

  • 故人の預貯金を使う
  • 不動産の名義を変える
  • 貴金属などの高価な物を持ち帰る

相続に関する方針が決まるまでは、故人の財産には一切手を付けないようにしましょう。

3.相続放棄については専門家にまず相談

ここまで相続の方法や注意点などを説明してきましたが、相続問題は複雑なので、まずは専門家に相談するのがベストです!

無料相談が可能な相談先を5つ紹介します。

相続に関して悩んでいる方は、ぜひご利用ください。

3-1.相続弁護士ナビ

相続問題に特化した弁護士を検索できるサイトです。

地域ごと・相談内容ごとに弁護士を探せます。

無料相談可能な事務所も多く掲載されているので、まずは検索してみましょう。

公式ページはこちらから

3-2.東京相続放棄相談センター

フリーダイヤルでの無料相談のほか、全国の問い合わせに対応しています。

夜間、土日、祝日も対応しているので、忙しい方も気軽に相談してみましょう。

公式ページはこちらから

3-3.みどりの相続放棄相談所

相続放棄に関して、全国どこでも無料相談を受付ており、365日年中無休で対応しています。

公式ページはこちらから

3-4.市・区役所

地元で活躍されている専門家に相談をしたい方は、各市・区役所に相談してみるのもいいですね。

相続に関する説明会や相談会などが開催されていることもあるので、事前に準備しておきたい方も問い合わせてみましょう。

ただし、時間がかかる場合が多いので、スピーディーに問題を解決したい方にはおすすめできません。

3-5.家庭裁判所

相続放棄に関する手続きでお困りの方は、家庭裁判所に問い合わせるのも1つの手です。

相続放棄するべきかどうか、相続人とのトラブルといった悩みであれば、弁護士などに相談することをおすすめします。

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